
にじり躙口 — 茶室の小さな入口
火灯口をくぐった先の、二間続き。掛け軸と雪見障子。



島の茶寮に、ひと組だけ。

土庄港から、車で十分ほど。渕崎の家並みを抜けると、竹垣のむこうに、桜の枝。

この家は、長いあいだ茶寮でした。暖簾をくぐって、席について、一服して帰る店だったそうです。

いまも、暖簾はかかります。ただし、一日にひと組だけ。円窓の席も、庭も、湯も、その組のもの。

鉄瓶を火にかけて、湯が沸くまで、椿を見ている。島の茶寮に、今日はひと組だけ。


小豆島の北、土庄町渕崎。寒霞渓へのぼる道の途中に、数寄屋の軒をもつ旧い茶寮があります。
鉄瓶も、緑の急須も、染付の湯呑も、前の主から受け継いだまま、棚にあります。手を入れたのは、水まわりと寝室だけ。
暖簾をかけるのは、一日にひと組のため。茶室と庭と、湯と布団を、今日の客のために用意しておきます。

鉄瓶も、緑の急須も、染付の湯呑も、前の主から受け継いだまま、棚にあります。









火灯口をくぐった先の、二間続き。掛け軸と雪見障子。



木の天井が湾曲する寝室。ブラインド越しの朝の光。



一枚板のテーブルに、砂紋の枯山水。ここで一服を。


